共生社会 「違い」を認め合う社会の多様化とは?


皆さん、こんにちは。聖海です。

世界の人口が80億人に達したそうです。

益々多様化が進みそうなので、今回は共生社会のお話です。

共生社会とはなんだろう?

国の方向性の軸を権力に据えると自由主義化社会主義ということになります。

個を優先するか集団を優先するかがポイントになりますが、人間は一人では生きられませんし、かといって集団を優先すると生きづらくなります。

また、軸をお金に据えると資本主義か共産主義かということになります。

自分で稼ぐか集団で分けるかがポイントになりますが、これも人間は個体差があり体の状態も一定ではありませんので、個人競争だけでは不安定で結局は集団的な協力も必要になります。

詰まる所、権力やお金を軸に据えても安定的な国は作れなかったのです。

人間の個性と集団性を併せ持った人間の社会的性質を軸に据えなければ国はうまくいかないのです。

 

共生社会とは、個々の個性を集団に活かしながら生きていく社会です。

身体的特徴で区別されることなく、生まれた環境で区別されることもなく、経済状況で区別されることもなく、人生のどのステージでもそのままの自分でやりたいことをしすることで社会に貢献となり助け合って支え合って成り立つ社会です。

 

全国民が本当の意味で同等であり、法の下に平等である状態を実現できるのは共生社会を基盤に国を築く外はないと思います。

そんなにうまい話があるのだろうかと懐疑的に感じる方もいるかもしれません。

共生社会を実現させるためには「違い」を認めるという練習をしなければいけません。

私達は今まで「違い」を良しとしない社会を生きてきました。

頭ではわかっていても違いがあると煙たがり遠ざけ排除してきたのです。

健常者だけで社会を創り、健常者だけで競い合い、裕福な人だけで学び、裕福な人だけで共有し合い、同じ考えの人だけで寄り合って、多数派の意見だけで動かして。

そうやってきたので本当の意味で「みんな」が存在する社会を知りません。

例えば、会社に普通に身体障害者が何人もいるようになったら、今までスムーズに進んでいた作業に少し時間がかかるようになるかもしれません。

しかし、障害者は邪魔なだけでしょうか?

障害者がいることで会社としてアイディアが広がったり、それまで競争でギスギスしていた職場がお互いのできる分野を尊重し合うようになったりするかもしれません。

今の自分ができることをしたらよい、補い合うのが社会だという考え方が浸透すれば、社会の中で居場所が作られ、自己否定に苛まれることが減り、随分と生きやすくなることでしょう。

健常者や富裕層に我慢を強いることではなく、無駄な精神的競争をなくしてみんなが自分のできることに集中しましょうということです。

もうマルチプレーヤーを目指す必要はないのです。

もう一つ例えるなら、街や公共施設にユニバーサルデザインが増えたら困る健常者はいるでしょうか?

道は広がり、段差も減り、ドアは軽い力で開き、トイレもエレベーターも広くなる。

駅の掲示は大きな文字と明瞭な音声になり、機械は操作が簡単になり、コミュニケーションツールが充実し、家にいながら投票ができるとなれば、むしろ便利で喜ばしいことが増えるのではないでしょうか?

低いレベルに合わせる感覚ではなく、みんなが生きやすくなる方法なのです。

そんなことをしたら足腰が弱い人間になりますか?

では自分に合う運動をしたらよいのです。

みんなが同じ学校に通いながら個々に合わせた学習指導を受けられたらどうでしょう?

違いが当たり前の社会になります。

無駄な競争や差別意識がなくなっていきます。互いに支え合う方法を体得します。

これがインクルーシブ教育と呼ばれるものです。

障害の有無による区別や集団からの隔離をしなくとも、個々に合わせた教育、個々に合わせた支援を受けられる教育のシステムです。

 

このように共生社会が実現すれば、人生の途中で障害や病気を抱えても周囲は当たり前に受け入れてくれるので絶望することなく生きることができます。

集団の中でそれぞれの個性を活かしていくことができれば、国民の学力や技術力は確実に上がります。

今まで受けられなかった教育や、今まで知らなかった情報、今までできなかった経験ができるようになるからです。

各人がもっと能力を発揮できるようになり、世界的に活躍する日本人も増えることでしょう。

誰の能力も取りこぼすことなく活かせる社会になり、生活水準が上がり、税収も増え、国力も増します。

国はお金の使い方を変える必要があります。

現在のように商売人のような利益主義を止めなければなりません。

国が利益を稼ぎに行くのではなく、国は国民を支えることに惜しみなく投資するのです。

そうすれば自ずと国民が成長し、利益を生み出します。

やりがいを持って働き、生活がラクになり、収入も増えます。

 

私達人間は、個であり集団です。

切り離して考えることはできません。

個がなければ集団は存在しないし、集団が安全でなければ個は死んでしまいます。

個だけでは生きていけず、集団に頭も体も全て委ねて生きることもできません。

集団は必ず個を受け容れなければうまくいかないのです。

個は集団に積極的に介入しなければ集団に殺されてしまうのです。

 

 

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