真実が錯覚になり
本物が偽物になり
正答が誤答になる
私達は油断をするとすぐに自分をマジョリティに寄せてしまう
みんながいいと言えば自分にも合うと思い込んでしまうし
みんなに人気があれば自分の欲しいものだと思い込んでしまうし
みんなが合っていると言えば自分もそうだと思い込んでしまう
その結果、マイノリティの私を限りなく嘘で薄めて、弱さを虚勢で誤魔化して
誰彼構わず愛だと勘違いして、恥ずかしい体でセックスして
偉そうで見合わない職に就いて、運命だと腹を括って結婚して
気が付いたら真実の愛でも真の望みでもなく地獄の底なし沼で溺れてた
全てが虚構の自分だなんて
過去のどの瞬間の自分も解っていなかった
自分の意志だと、本当の願いだと思っていた
でも、いつもすぐに間違いだったと後悔した
考えていないわけじゃないのに間違ってしまう
それはきっと、マジョリティの願いの方が価値があるし幸せそうだと心のどこかで思っているから
気を抜くとマジョリティ側に自分を寄せて、隙あらばマジョリティの人達に憧れられるような一発逆転を狙ってしまうのだ
目立ちたい……というより、報われたい
誰にも相手にされない私の人生をどうにか成仏させたい
マジョリティは呪いのようなものだから
早くマジョリティの夢を叶えて厄を祓ってしまいたい
大は小を兼ねるというからマジョリティの夢を叶えれば私の心も満たされるはず
そんな一縷の望みは虚しく散るのが必然
私はずっと現実と自分を見誤っていたんだ
それは私に限ったことではないのかもしれないと最近思う
子どもの中では辛い物を食べられた方が凄いし
中学生はスクールカーストの上層部にいた方が大きい顔ができるし
高校生の中では早くセックスした方が大人扱いだし
女性の中では仕事も恋愛も楽しんだ人がキラキラしてるし
母親の中では家事も仕事も育児も頑張るのは当然で、その上若くて綺麗でいなきゃいけない
そうやって”マジョリティの夢”を知らないうちに追いかけさせられてる
自分で望んだ真の姿ではないにも関わらず、なぜか叶えようと躍起になってしまう
そして叶って初めて気がつくんだ
「こんなはずじゃなかった」って
心のどこかが欠けてしまったような感覚と共に
マジョリティは時を経ると小さくなり
マイノリティは時を経ると大きくなる
マジョリティなんて本当は幻なのに……
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